とりあえずは重要な報告を。
新風舎の倒産に伴って一般の流通経路では手に入らなくなっていた拙作の「イルカのキリー」だが、このほど文芸社の方から再出版することとなった。既に契約も済ませており、おそらく来年の5月頃に一般の書籍流通ルートに乗せることが出来そうだ。
今回の再出版にあたっては、部数も以前よりやや多めになり、値段も以前より安い2千円以下の値段で出せそうだ。 また、新風舎版では予算とスケジュールの関係で割愛した、終盤近くの原稿用紙2~3枚分のエピソードも復活させられそうだし、他の部分にも原稿用紙1~2枚分程度の追加か変更をする予定なので、「イルカのキリー2.0」とは言わないまでも「イルカのキリー1.1」みたいな位置づけの作品になるかもしれない。
こういった形での出版について、いろいろ言う人もいるかもしれない。実のところ再出版にあたって何もやっていなかったわけではないと、弁解だけはしておこう。だが、結局のところ今の日本の文芸の世界に全くなんら共感を感じない人間には、これ以上のことは実質不可能なのである。だから僕はこれ以上はこの作品について、紙に書かれた本であること以上のことを要求するのは止めにすることにしよう。
あとはやはりただ、時の流れがすべてを決めるのだ。