underworldの新譜「オブリヴィオン・ウィズ・ベルズ」が結構気に入ったので、「OBLIVION BALL」にいそいそと出かけた。
と言いつつも、実は目的はThe ORBの方なのだが。
あらかじめ断っておくと、僕は音楽に関しては完全に雑食でおまけにつまみ食いの人間で、特にハウス系に限らずいろいろな音楽を聴く人間だ。普段はクラビングなんてまったくやらない普通の奥手な人間なものだから、本来ならばこの手のイベントに出かけるべきではないと思うのだが、ときどきは野次馬根性でこうしたイベントものぞいたりするのだ。
いざ会場に入ってみると、会場の広さもさることながら、それを埋め尽くす人の多さにビックリした。 特にフードコーナーの行列はものすごい長さだったので、あきらめて外の喫煙コーナーに出たら、たまたまそこにあったホットドッグ屋は行列が短かったおかげで、すぐに食事にありつくことが出来た。
さて、肝心のライブ。シミアン・モバイル・ディスコは良い意味でクレイジー(笑)でこれは意外な収穫だった。でも、アルバムをネットで視聴してみた限りでは、ライブのすさまじさとはちょっと趣の違うクールな感じなので、これもまた意外。ステージで本領の出るユニットなのかも知れない。
そしてunderworldは当然メインアクトだけあって、観客のノリもすさまじかった。構成も新旧織り交ぜた展開で、これだけでも充分入場料の元は取った気がする。ただ、とにかくこのときは眠くて仕方がなかった。
そして最後のThe ORB。彼らのライブは初めて見るのだが、やはり予想以上に面白かった。とにかくアルバム収録曲がほとんど原型を留めていない(笑)のが痛快というか、まぁアンビエント・ハウスの雄であるところの彼らにとっては当たり前の話なのだが。
僕はステージ最前列に陣取って、スピーカーの前で大音響に身をさらしながら、ただひたすらに好き勝手に体を動かしていたのだが、どうみても場違いな人間が最前列に陣取っているのを見て不思議に思ったのか、若くて可愛い女の子が寄ってきて、「誰が目当てなんですか~?」なんて訊いてきたのでびっくりしてしまった。その時は年甲斐もなく気が動転して、どう返事して良いのかわからなかったのでなんとなく無視してしまったのだが、後からそれはさすがにちょっと失礼だったかなと後悔している。
というわけで、この場を借りてその女の子に伝言。
おじさんは鵺(ぬえ)だからね。 関わると闇に引き込まれるから、滅多なことで声をかけるもんじゃないよ(笑)
……もっとも、「なんでそんな鵺がこんなところに出てくるの?」と言われれば返す言葉もないのだが(苦笑)。
最後は「雨に唄えば」のテーマソングで終わったThe ORBのステージを見届けた後に、ビールを一杯引っかけて会場を出て歩道橋を歩いていると、綺麗なまるい月が空に浮かんでいるのが見えた。どうも月齢を調べると、24日はちょうど満月だったようだ。
なんとなく来年はいい年になりそうな気がした。