Youtubeにこういった動画がアップされていた。
つまりショーの最中にイルカが水槽から飛び出してしまい、元に戻れなくなると言う一見微笑ましいシーンなのだが、はたしてこれが微笑ましいのかどうか。
僕はこれまでの人生経験から、ものごとの受け止め方が一貫してひねくれていて、イルカを見て幸せそうとか気持ちよさそうとか愉しそうとか癒されるとかいったことを感じることが無い人間で、こうした光景を見てもむしろ逆になんらかのイルカからのSOSなのでは無いかと感じてしまうのだ。実際、多少の身体の構造の違いはあっても、基本的に人間と同じ肺呼吸の生き物が水の中で生きるなんて相当に大変はずで、しかも海とは違った狭い水槽に押し込められているのだから、相当のストレスがあるのではないだろうか。実際、水族館で飼われているイルカは概して短命で、しかもその死因の大半がストレスによる胃潰瘍だという話を聞いたことがある。
もっともこれは永久に答えの出ない問いなわけで、別に僕とてもことさらにそれを強調して、例のリック・オバリー氏のようにイルカショー全体にの反対を訴えたりするつもりも毛頭無い。僕がここで言いたいのは、表層的な物事は概してその奥にある真相を覆い隠してしまう可能性が必ず存在すると言うこと、ただそれだけである。
表層と深層の狭間の業苦で絶えずもだえ苦しむもの、それが生き物というわけだ。僕はそこに自分の人生の似姿を見る思いがする。ただそれだけのことだ。ああ、あれはまるで自分のようだ、と。